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2025年5月23日
起きると憂鬱な気分だったが、研究室の合鍵を作りに外へ出る。個人でやっている老舗っぽいところが一番安いらしいという目処はつけていたのだけれど、肝心のその店が見当たらない。見るサイトによってビルの一階、地下一階、地下二階と情報が錯綜しており、なんで無給でこんなことを…と薄暗い階段を上がったり下がったりしていた。古くからある、なんというか半分シャッター街のようなビルで、実際、ビルの案内図からもかなりの店が消えた形跡があった。潰れてしまったのかな、と諦め近くのチェーン店を探しにビルを出ることにした。
出ると言っても地下通路で別のビルにつながっており、なんとその狭間に探していた店があった。気さくな店主が対応してくれて、十数本頼んだのだが十分程度でできますよとのこと。鍵を削る音がフロアに響くのを聞きながら辺りを少しふらふらする。十分そこらで戻るともう出来ていて、カウンターに鍵が並べられている。うちが一番安いんですよ、と言われ、やはりそうですか、と答える。いい気分になったので、あとでGoogle Mapにレビューでも書いて、店の位置を補足しようかと思いながら店を後にした。
帰路、ある政党が街頭演説をしていて、信号を待つ間に聞いていた。DO IT YOURSELF!!と書かれたラベルが演説カーに貼られているが、半角のエクスクラメーションマークがなんだか不釣り合いだ。皆さんにも子供さんとお孫さんがいるでしょう、私たちは未来を…と演説者は熱く語っており、おらんけども…と思いながら青になった信号を渡る。お子さんじゃなくて子供さんという言い方を初めて聞いた気がする。渡りきった横断歩道の先に、背中から2枚のモニターを生やした人がいて、モニターからは別の政党の広告が流れている。かすかに音声も聞こえる。いわゆる歩く広告だ。私はこれがほんとに苦手である。人を何だと思っているのか。
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2025年5月22日
日本版のグラミー賞と称されている番組のオープニングの動画がYouTubeのおすすめに流れてきた。ロームシアター京都を舞台に、様々なジャンルのアーティストがYMOのRYDEENの旋律を共有しながら各々の楽曲を演奏していて、千本桜を歌うホログラムの初音ミクがYMOのレコードのジャケットをオマージュしながら持つ扇子にはYELLOW MAGICと書かれている。嫌な気分になりながら最後まで見た。もし仮に、(発売時期は不問で、ここ一年でチャートに入った楽曲が対象らしいが)星野源のアルバムが去年出ていたとして、彼がこれに参加していただろうかということを考えながら、深夜まで開いている蕎麦屋へ歩く。
鳥南蛮そばが食べたかったのだけれど(南蛮がねぎという意味だと最近知った)、そばが売り切れとの張り紙をみてやめにした。蕎麦屋なのに。お腹は空いていたのでどうしようかとしばらくふらふら。たまに行く中華料理屋は行列で並ぶ気にはなれない。じゃあラーメンでも食べようかと思うも、この時間はなあ、と結局は吉野家に行くことにした。期間限定商品にプルコギがあって、おお、と思ったが成型肉を使用しています、と注釈がありやめにした。その文字を見ずに食べたとしたら別になんとも思わなかったはずである。成型肉という文字から、幼い頃よく家庭で出すぎて苦手になったサイコロステーキの味を想起してしまうのだ。ちょっと悩んで牛鮭定食にした。吉野家の味噌汁は青さが入っていて嬉しい。
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2025年5月21日
深夜にアーケードを歩いていて、少なくない店の前に出された燃えないごみの袋から、誰かの忘れものの傘たちの柄の部分が見えていた。うちに折りたたみ以外の傘がないので、数本抜き取って持って帰ろうかと思ったけれどやめた。