去年一番聴いていたと言っても過言ではないラッパーが亡くなった。信じられない。訃報のニュースを見て、あまりの動揺に並んでいたバス停の列から外れ、彼のアルバムを聞きながら、急な雨の中をしばらく歩いた。こういった経験が人生で初めてなのもあって、気持ちの整理がつかない。ご冥福をお祈りします。
去年一番聴いていたと言っても過言ではないラッパーが亡くなった。信じられない。訃報のニュースを見て、あまりの動揺に並んでいたバス停の列から外れ、彼のアルバムを聞きながら、急な雨の中をしばらく歩いた。こういった経験が人生で初めてなのもあって、気持ちの整理がつかない。ご冥福をお祈りします。
ある書類を探していると、学部一年生のときに書いた武者小路実篤の『友情』について書いたレポートを見つけた。数年ぶりに読んでみると口語的な表現があったり誤字脱字がひどかったりして恥ずかしい気持ちになる。いい評価をもらった記憶があって、自分でもよく書けたと思っていたのだけれど、見逃してくれていたんだなと思った。とはいえ、今の私にはない思い切りのよい文章だったし、このくらいの集中力と精度でいま様々な文献を読めているかというと心許ない。大学受験のときのほうが勉強してたよな、とかもたまに思うけれど、でもきっとそんなことはない。
最近、tofubeatsがTHREE THE HARDWAREという番組をご飯を食べながら見ている。サイコロを振って出た目に合わせて数万円がトラックメイカーに渡されて、ハードオフに向かい、その金額以内で買った機材で曲を作るという企画である。トラックメイカーたちが悪戦苦闘している姿を見ながら、それに比べればはるかに使いやすいはずだと思い、ずいぶん昔に買っていたSP-404 mk2というサンプラーを本格的に触り始めた。SP-404のみでも曲は作れるのだけれど、PC上のDAWの外部エフェクトとしてしか使っていなかった。DAWに比べればはるかに使いづらいのだけれど、マニュアルを見ながら数時間で大体の使い方を覚えることができた。これぐらいで済むならもっと早くやっていればよかった。こんな風に、マニュアルをはじめにしっかり読んでれば、後々の出来ることの幅や効率が格段に変わる、とはわかっていても、なかなか重い腰があがらない、みたいなことがよくある。ちょっと違う話だけれど、ショートカットキーを覚えるとかも。
新曲の配信が各種サブスクで始まりました。
ビートメイカーでラッパーの春氏との共作です。深夜、私がビートを作る傍らで彼がリリックを書いて、そのまま録音して、と一晩で出来た曲です。珍しく私もhookを蹴っています(蹴る、はverseの方がしっくりくるのはなぜでしょう)。とはいえ私のリリックは、彼のようにすぐに書く才はなく、メモ帳に書き留めていたものです。そろそろ誕生日で、28歳はこういうスピード感でどんどん曲を作っていきたいと意気込んでおるのですがどうなることやら。
後輩たちにゼミ発表の仕方だったり、文献の探し方だったりを教えるためだけになんとか起きて大学へ。なんというか好き好んでやっていると思われている節があり、うーむと思うなど。
別にこれに限らず、好きでやってるんでしょだったり、結局は自分のためでしょ、的なことをたまに言われることがあって、その度に腹を立てている。それを言って何になるんだろう、と、前にも書いたような気がする。デジャヴだ。お疲れさま、とキレートレモンの一本でも奢ってくれたほうが幾分かはマシである。狭量だな。
大学に向かうバスに乗る時、列があるのを知らずに横入りする形で乗ろうとする人がいて、ちゃんと並んでいた人が、列があるので後ろに回ってください、と制していた。怒りも呆れも嫌味っぽさもない、毅然としたその言い方がとてもよかった。こうありたいと思った。
先日から、春蜺という私の曲が各種サブスクで配信されている。曲自体は数ヶ月前に出来ていて(原曲に関しては数年前)、なんとなく配信を先延ばしにしていたのだけれど、春も来たしということで、Tunecoreというサービスを通じて、配信手続を行ったのだった。この時差は多忙だったせいもあるが、なんとなく配信するのが億劫だった。というのも、以前に何曲か登録したことはあり、かつ細やかにどこでどれくらい聞かれているのかというアナリティクスを見ることができる。推察するに、知り合いにしか聞かれていないんだろう(ありがとうございます)と感じていて、それならYouTubeにはあげているので十分だと思っていた。とはいえ、米津玄師も誰にも聞かれなくてもニコニコ動画に曲をあげ続けていた日々があったという話を聞いて、若輩者の私がそんな気持ちではいかんと久しぶりにTunecoreを開き、Spotifyのアーティストページなんかも整え始めた今日この頃である。もちろんニコニコ動画にもアップした。
最近、アプリを消すなどしてほとんどTwitterを開いていなかったのだけれど、久しぶりに見てみるかとブラウザでログインしてみると、知らない人にメンションされていた。春蜺を含む私の曲を紹介してくれていたのである。YouTubeにあげている曲にいいねがついていたことぐらいはあったけれど、知り合い以外から、ここまでのリアクションを知り合い以外から受け取ったのは初めてで、とても嬉しかった。Spotifyのおすすめに出てきて聞いてくれたとのことで、ちゃんとアルゴリズムが機能してるんだという素朴な驚きがあった。
Tunecoreだったり、Spotifyアーティストではその日のうちにどこでどれくらい聞かれているかのアナリティクスを早速確認することができるのだけれど、ここ一年のすべての曲の再生数を一日ではるかに上回っており、しかも世界中で聞かれていて、そんなまさか、と戸惑っている。おそらく可不がメインアーティストに入っているからだろう。予想、意図していなかったわけではないが、ここまでとは。
広義のボカロのラップ曲を作っているのには色んな理由がある。とあるジャズミュージシャンの試みを引き継ぎたいというのがまずあるし、『アンビバレント•ヒップホップ』という最近出たヒップホップに関する本への私なりの回答の模索でもある。あまり手の内、胸の内を明かすのもなんだしなという気持ちもあるが、覚悟という意味でも、こういうことを言っておくのは大事なのかもしれない。日本のビートメイクシーン、ひいては日本語ラップシーンへの別の回路を作ること。まだほんのわずかではあるが、可能性が見えた日だった。