2025年11月24日
休む間もなく、急遽参加させてもらえることになった、高級ホテルで開催されている「持続可能な世界へ!」という雰囲気の国際シンポジウムへ。国際機関の偉い人たちや研究者たちが素晴らしい内容のプレゼンをすごそうに話していて、なんだかなという気持ちになった。現場の人たちの声を大事に、という理念で開催されているシンポジウムなはずなのに、なんで現場の人たちがこの場にいないんだろうという違和感である。
実際に田畑で働いている人たちが聞いてもわからないだろう、ということなのだろうか。(彼らに伝わるような話・言葉じゃないとしたらそれは一体なんなんだとは思うが)百歩譲って、この国の現場をよく知る人はロビーに沢山いたはずである。政府の職員として働くなかで日本に修士課程で留学にきてこの国の農業の研究をしていた女性がずっと受付をしている。ある農業者の団体のマネージャー(一度あいさつだけしたことがあって顔は知っていた)はずっと特産品を売るブースに立っていた。彼らのような政策と現場の両方を知る人たちからこそ話を聞くべきで、それが難しいのなら会場に入られるようにはしたっていいものである。マルチステークホルダーってそういうことじゃないんですか、聞いとられん…とこっそり席を立つ。ロビーにいたそのマネージャーに話しかけると優しい人でいろいろと現場の話を教えてくれた。プレゼン資料にすらアクセスできていないということだったので、後日渡しますよと連絡先を交換する。
まあそういうもんだと思っていたしそれを確認出来てよかった。だからこそこういう研究をやっているのだし。ただ、コーヒーブレイクの時間に主催者の一人と話す機会があって、「現場と政策をつなげたくてこのイベントを開いているんですが、伝わっているかどうか」とのことだった。そういう思いを持っている人もいるということが、これから一か月の調査に向けての励みになった。

