2025年9月17日
早めに起きて荷物を整理し、途中渋谷で降りてケバブを食べ、国立近代美術館へ。コレクションの戦争記録画を中心とした特集。いつかの常設展で見たことがあったものもちらほら。「アッツ島⽟砕の図」をはじめとする藤田嗣治の絵画がけっこうというかかなり展示されていて、なかなかない機会なのではと思った。
スタイリッシュな紀元2600年記念日本万国博覧会のポスターや銃後の人々の暮らしを描いたものなどいろいろと興味深かったのだけれど、特に、丸木位里・俊の「原爆の図 第三部 水」が鳥肌が立つほどの衝撃で、数枚の屏風の前を行ったり来たりしながらしばらく見ていた。埼玉の丸木美術館にもいかなければ。展示の終盤にある広島市民が描いた原爆の絵も数多く展示されていて、同じくらいの衝撃だった。漫画の一コマ的とでもいうべきか、文字が添えられた絵が多かったのが印象的である。水木しげるや手塚治虫の次のコーナーだったからそう思ったのかもしれないが。
次の予定が控えていたので急ぎで常設展のほうも見た。藤田嗣治や丸木俊など特集のほうにも展示されている作家の絵が補完/対比されるように展示されているように感じた。藤田嗣治が墨でさっと描いたようなと魚の絵が、照明の薄暗い日本画のコーナーに展示されていて、さっきまでの濃密な戦争画との差に同じ人…?と思うなど。日本画のコーナーには戦争画が数枚あって、さっきまでの特集と比べて、なんというかコントラストが淡かった。急ぎではあったけれどセットで見てよかった。
羽田空港へ行く途中、一軒の本屋に寄る。珍しいことにデザイナー毎に本が並べられていた。小田実が創刊した『週間アンポ』が数冊あって、これさっき美術館に展示されてよな、と思いながら0号を買った。2500円。合わせて筒井康隆編集の『面白半分』という雑誌のタモリの日記が掲載されている号も買った。帰りの機内でパラパラと巡っていると、全冷中の活動を山下洋輔が振り返る連載があって、ちょうど福岡のホテルでタモリと出会うあの有名なエピソードについての回だった。いい買い物をした。